タワーリバーク眼科

白内障の原因とは?種類別の原因や症状・治療方法・予防方法などを紹介

目が見づらい人

目がかすんだり二重に物が見えたり、眼鏡が合わなくなったりといった症状にお悩みの場合、白内障が疑われます。

白内障は目の中の水晶体が濁ってしまうもので、加齢、先天性、外傷、ステロイド薬剤、紫外線などさまざまな原因で発症する疾患です。

この記事では、白内障の原因について詳しく解説します。

白内障の治療方法や予防方法もまとめているため、似たような症状でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

白内障とは

白内障とは目の中の水晶体が濁る疾患です。

水晶体はカメラのレンズのような役割を持つ部分で、外からの光を集めてピントを合わせる働きがあります。

正常な水晶体は透明ですが、中身のたんぱく質が変性して濁ってくると、光が上手く通過できなくなったり光が乱反射したりしてしまいます。

白内障の症状

白内障の症状は以下の通りです。

  • 視界が霞む
  • 光がまぶしい
  • 視力が低下する
  • 物が二重に見える
  • 近視が進行する
  • 老眼鏡でも見づらい

ここでは上記6つの症状についてそれぞれ解説します。

視界が霞む

水晶体が白く濁ると目に光が入りづらくなり、曇りガラス越しに物を見るような視界になってハッキリと見えづらくなる症状が現れます。

視界が霞むことで視力が低下したように感じてしまう場合があり、眼鏡を作り直したりコンタクトレンズの度数を変えたりしても改善されないところで、初めて症状に気づく方も少なくありません。

光がまぶしい

白内障になると水晶体が濁り、光が乱反射して入ってくることでまぶしく感じる場合があります。

夜間の信号や街灯を見た際に症状に気付くケースが多く、事故の危険性もあり得ることから、以前よりも光がまぶしく感じるようになったらなるべく早めに眼科を受診しましょう。

視力が低下する

水晶体が強く濁ってくると網膜に十分な光が入ってこなくなるため、視力が低下してしまいます。

白内障にはいくつかの種類があり、以下のように視力低下の感じ方に違いがあります。

  • 後嚢下白内障:視力低下を自覚しやすい
  • 核性白内障:ある程度進行しない限りは視力低下を自覚しづらい
  • 皮質白内障:初期段階では自覚しづらいが、水晶体の白濁が中央付近まで達すると視力の低下を感じやすい

白内障の進行と視力の低下は必ずしも比例しているわけでなく、個人差があります。

物が二重に見える

白内障になると物が二重に見えることがあります。

水晶体に白く濁った部分と透明な部分ができることで、光の進み方に違いが現れ、物が二重三重に重なって見えるのです。

物が重なって見える状態は必ずしも白内障が原因とは言えないため、このような症状が現れたら早めに眼科を受診して検査を受けましょう。

両眼で見たときに物が重なって見える場合は、斜視の可能性も考えられます。

近視が進行する

水晶体の中央部分が濁ると水晶体が固くなり屈折力が強くなるため、網膜よりも手前でピントが当たる近視の症状が現れす。

例えばこれまで老眼鏡なしで手元が見えなかった場合、白内障による近視の進行によって老眼鏡がなくても手元がよく見えるようになることがあります。

老眼鏡でも見づらい

白内障になると、老眼鏡をかけても細かい文字や手元が見づらくなります。

老眼鏡をかけても見づらい状態が改善されない場合は、白内障を疑った方がよいでしょう。

眼鏡を作り替えに行った際にようやく白内障に気付くという方も少なくありません。

白内障の種類とそれぞれの原因

白内障にはさまざまな種類があり、種類によって原因も異なります。ここでは白内障の種類別の特徴と原因についてそれぞれ解説します。

加齢性白内障

加齢が原因で発症する白内障は、老人性白内障ともいいます。

早い方で40代・50代で白内障の自覚症状が現れ、80歳ではほぼ100%の方に白内障の症状が現れます。

“白内障の中で最も多いのは加齢性白内障である. 50代では約60% の人が,また80歳以上ではほぼ100% の人が白内障を発症する”

※引用元:白内障の病態および治療の現状と 今後の展望

高齢の方の場合は自覚症状が出にくい傾向にあるため、症状に気付かずに治療が遅れてしまうことも少なくありません。

発症時期は生活習慣や体質などにより異なり個人差があるため、自覚症状が少しでも現れたら早めに眼科を受診しましょう。

先天性白内障

先天性白内障は生まれたときから目の水晶体が濁っている白内障のことで、先天素因または胎内感染により発症します。

先天素因は常染色体優性遺伝と染色体異常の2つの要因があります。

両親のどちらかが先天性白内障の原因となる遺伝子を持っていると、子どもに受け継がれる可能性があるのです。

先天性白内障の原因となる遺伝子を子どもが受け継いだ場合、白内障を発症するリスクが高まります。

また遺伝子が突然変異を起こす染色体異常によって先天性白内障を発症するケースも少なくありません。

いずれの場合も先天性白内障は外からの光が網膜まで届きにくくなるため、視力の発達が遅れる恐れがあります。

若年性白内障

若年性白内障は20〜30代の若い年齢で発症する白内障です。

主な発症原因としては以下が挙げられます。

アトピー性皮膚炎 発症した際にかゆみで目を掻いたり叩いたりしてしまうため
外傷 目に物が当たったりケガをしたりすることで外傷性白内障を発症する
ステロイド薬剤 アレルギー疾患の治療に使われるもので、長期間の使用により白内障リスクが高まる可能性がある
糖尿病 インスリン分泌の異常によって血糖コントロールが上手くいかなくなり、水晶体に糖が蓄積することで白内障を発症する可能性がある
紫外線 水晶体のたんぱく質にダメージが及ぶことで白内障を発症する可能性がある

若年性白内障の明確な原因は明らかにされていませんが、紫外線やストレスなどが白内障の発症リスクに影響するとされています。

その他の白内障

放射線やステロイド薬剤の影響によって白内障を発症する場合もあります。

がんや白血病など、治療で多量の放射線を受ける方は特に注意が必要です。

またぶどう膜炎や網膜変性症、緑内障などの病気と併発して白内障を発症する場合もあります。

上記のような目の病気を発症した場合は、定期的に眼科を受診し早期発見・治療に努めることが大切です。

白内障の治療方法

白内障の治療方法には薬物療法と手術の2種類があります。

仕事や生活に支障が出ない初期段階は薬物療法、支障が出ている場合は外科的手術により治療することになるでしょう。

ここではそれぞれの治療方法について詳しく解説します。

薬物療法

水晶体の濁りや軽度の場合、薬物療法によって白内障の進行を遅らせることが可能ですが、濁りをなくしたり進行を止めたりすることはできません。

点眼薬と内服薬の2種類があり、具体的には以下のような薬があります。

  • 点眼薬:ピレノキシン(旧カタリン、旧カリーユニ)、グルタチオン(タチオン)
  • 内服薬:チオプロニン

点眼薬のピレノキシンは、白内障を引き起こす『キノイド物質』の成長を抑え、水晶体の透明性を維持しながら症状の進行を抑制する薬剤です。

グルタチオンは、白内障の進行につれて減少するグルタチオン量の不足を補えます。

白内障の発症や進行を防ぐ効果があり、水晶体の透明性を保てる薬剤です。

白内障になると視界が見づらくなるため、薬を間違えて使用しないよう注意しましょう。

手術

白内障で濁った水晶体を取り除くためには、手術を行う必要があります。

白内障の手術は濁った水晶体を超音波で砕いて取り出す『超音波水晶体乳化吸引術』、レーザーで水晶体を細分化して取り出す『レーザー白内障手術』、水晶体の核をまるごと取り出す『水晶体嚢外摘出術』などが挙げられます。

それぞれの手術の流れは以下の通りです。

術式 手術の流れ
超音波水晶体乳化吸引術
  1. メスで角膜を切開して黒目と白目の境に切開創を作る
  2. 前嚢を切開する
  3. 角膜の切開創から手術器具を挿入して超音波で水晶体を小さく砕いて吸引する
  4. 水晶体嚢に眼内レンズを挿入する
レーザー白内障手術
  1. 水晶体の状況・角膜の厚さを元に手術計画を立てる
  2. レーザーで角膜を切開する
  3. 前嚢を切開する
  4. 水晶体をレーザーで分割を入れる
  5. 細分化した水晶体を吸引する
  6. 水晶体嚢に眼内レンズを挿入する
水晶体嚢外摘出術
  1. 眼球を大きく切開する
  2. 水晶体を砕かずに取り除く
  3. 残った菱を吸い取る
  4. 水晶体嚢に眼内レンズを挿入する

いずれも、水晶体を取り出した後に眼内レンズを入れるという手術方法です。

上記の手術を受けることで視力の回復が見込まれるでしょう。

また白内障の手術が問題なく受けられるかを調べる必要があるため、手術前には以下のような検査を受けなくてはいけません。

  • 見え方の検査:視力検査、屈折検査、コントラスト感度検査など
  • 目の状態の検査:眼圧検査、眼底検査、細隙灯顕微鏡検査、角膜内皮細胞検査など
  • 手術のための検査:眼軸長測定、曲率半径測定、角膜形状解析、波面収差解析など

眼内レンズはピントが固定されるため、医師と相談のうえでライフスタイルに合った度数を選ぶようにしてください。

人によっては、手術後も眼鏡による視力矯正が必要となる場合もあります。

白内障の予防方法

白内障を予防する方法として、以下の3つが挙げられます。

  • 紫外線対策
  • 適度な運動を心がける
  • 食生活に気を付ける

ここでは上記3つの予防方法についてそれぞれ解説します。

紫外線対策

紫外線が目に入ると白内障の原因となるため、紫外線対策で予防することが大切です。

具体的には以下のような方法が挙げられます。

  • サングラスを使用する
  • 紫外線カットの眼鏡を使用する
  • つばの広い帽子を使用する
  • 日傘を使用する

外出時は紫外線をカットするサングラスを使用すると良いでしょう。

色が濃すぎると視界が暗くなって目が疲れるため、できるだけ薄めの色のサングラスを選ぶのがおすすめです。

サングラスや紫外線カットの眼鏡と合わせて、つばの広い帽子や日傘を使用するとより強い紫外線対策ができます。

また紫外線対策は日差しの強い日だけでなく、曇りの日にも行いましょう。

曇りの日は雲からの散乱光により、腫れている日よりも多く紫外線が観測されることがあるためです。

上記のような対策を取り入れ、外出する際は紫外線をあまり受けないように注意しましょう。

適度な運動を心がける

白内障を予防するためには、適度な運動を心がけることも大切です。

糖尿病や肥満は白内障のリスクを高めるため、適度に運動をして生活習慣病を予防しましょう。

健康のための運動量の目安は、息がはずんで汗をかく程度の運動を週合計60分、毎週続けることです。

強度が高い運動を無理に続けるとけがやストレスにつながりかねないため、無理せず続けられる強度に抑えることが大切になります。

持病などで運動制限がある場合は、医師に相談して指示を仰いでください。

食生活に気を付ける

白内障を予防するためには、食生活に気を付けることが大切です。

体内で産生される酸化ストレスや糖化ストレスは目にも影響を及ぼすため、これらのストレスを減らす食事を積極的に摂るようにしましょう。

具体的にはビタミンを多く含む野菜や果物がおすすめです。

老化を促進するAGEという成分が多く含まれる脂っこいものやスナック菓子などは、なるべく控えるようにしてください。

食事は1日3食、バランスの良いメニューを心がけましょう。

バランスが偏っていたり食事を抜いたりすると、血糖値が上下しやすくなり、血管に負担がかかってしまいます。

食事で栄養素が不足してしまう場合には、あくまでも補助的な役割としてサプリメントを活用するのもおすすめです。

まとめ

白内障は目の中の水晶体が濁る疾患で、加齢性白内障、先天性白内障、若年性白内障の3つの種類があります。

それぞれ原因が異なりますが、紫外線や外傷、ステロイド薬剤、糖尿病などによって引き起こされることがあるため注意が必要です。

加齢性白内障は加齢により生じるもののため完璧に予防することは難しいですが、紫外線対策や適度な運動、食生活に気を付けるなどにより予防できます。

大塚眼科クリニックでは白内障の治療を行っています。

視界がかすむ、光がまぶしい、視力が低下する、物が二重に見えるなどの症状に悩んでいる方はぜひ一度当院までご来院ください。

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