コンタクトレンズの度数と視力の違いは?対応表・度数を勝手に変更するデメリットも

コンタクトレンズの度数と視力の違いは?対応表・度数を勝手に変更するデメリットも

コンタクトレンズを使っていると「度数と視力って何が違うの?」「眼鏡と同じ度数でいいの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。

実は、コンタクトレンズの度数には独自のルールや考え方があり、正しく理解していないと目の不調やトラブルにつながることもあります。

この記事では、視力との違いやコンタクトレンズの度数表記の見方、眼鏡との違い、度数を勝手に変えてはいけない理由などをわかりやすく解説します。

さらに、よくある疑問についてもQ&A形式で紹介していますので、正しい知識を身につけるために参考にしてください。

コンタクトレンズの度数とは?

コンタクトレンズの度数とは?

コンタクトレンズの度数とは、視力を矯正するために必要なレンズの屈折力を数値化したものです。

この数値は「D(ディオプター)」という単位で表され、箱や処方箋には『-2.00』や『+1.50』といった形で記載されています。

マイナスは近視、プラスは遠視を矯正する度数で、数値が大きいほど矯正する力も強くなります。

たとえば、-1.00よりも-4.00のほうが、より強い近視を矯正するためのレンズということです。

この度数は0.25刻みで細かく設定されており、目の状態に合わせた精密な矯正が可能です。

視力が悪いと度数が強いというイメージを持ちやすいですが、視力検査の結果とは別に考えなければならない点に注意が必要です。

視力との違い

視力とは、どの程度はっきりとものを見ることができるかを示す能力で、1.0や0.3などの数値で表されます。

一方、コンタクトレンズの度数は、その視力を得るためにどれほどの矯正が必要かという手段にあたるものです。

つまり、視力は結果、度数はそのために必要な道具の性能と考えましょう。

同じ視力でも人によって適正な度数が異なるため、正確な測定は眼科で行う必要があります。

おおまかな目安として以下のような計算式と対応表が知られています。

  • 視力から度数の計算式:0.4÷視力=度数
  • 度数から視力の計算式:0.4÷度数(絶対値)=視力の目安

たとえば、視力が0.2であれば、度数は-2.00となり、おおよその度数は-2.00Dです。

代表的な視力と度数の関係の目安は、以下の対応表で表せます。

視力 近視用度数(D)
0.8 -0.50
0.6 -0.75
0.4 -1.00
0.2 -2.00
0.1 -4.00

ただし、この表はあくまでも参考程度にとどめてください。見え方の快適さは度数だけでは決まらず、乱視の有無やピント調整力などにも影響されます。

正確な測定をするためにも、必ず眼科を受診してください。

眼鏡の度数との違い

眼鏡とコンタクトレンズの度数は同じと思われがちですが、実際には異なるケースが多くあります。

その理由は、レンズと目の距離にあります。

眼鏡のレンズは目から約12mm程度離れているのに対し、コンタクトレンズは角膜の上に直接のせて使用します。

この距離の違いによって、同じ視力を得るために必要な屈折力(度数)が変わります

一般的に、近視の人はコンタクトのほうが度数が弱くなり、遠視の人はやや強くなる傾向があります。

ただし、個人差があるため、眼鏡の度数をもとにコンタクトを購入するのは避け、必ず眼科で検査を受けたうえで処方された度数を使用しましょう。

コンタクトレンズの度数表記の見方

コンタクトレンズの度数表記の見方

コンタクトレンズのパッケージや処方箋には、さまざまな記号や数値が並んでいます。

一見複雑に見えますが、正しく理解すれば、レンズ選びや度数調整の際に役立ちます。

基本的に、数字が大きいほど矯正力が強くなるという点を押さえておくと、度数表記の読み取りがスムーズになります。

用途や症状に応じて、必要な項目が異なるため、それぞれのケースで見るべきポイントを確認しておきましょう。

近視・遠視

視力を矯正する基本的な数値は、POWER、PWR、D、SPHなどの略語で表される度数です。

近視の場合は-(マイナス)で表示され、数値が大きくなるほど、遠くが見えにくい状態を強く矯正するレンズになります。

遠視の場合は+(プラス)で表示され、数値が大きいほど近くを見る力をより多く補助するレンズです。

どちらも視力検査の結果だけで判断することなく、眼科で処方された度数を基準に選びましょう。

乱視

乱視用のコンタクトレンズには、特有の項目として以下の2つが追加されます。

  • CYL(シリンダー):乱視の度数を表し、基本的にはマイナス値(-0.75、-1.25など)で記載される。数字が大きいほど乱視の矯正力が強くなる
  • AXIS:乱視の角度、つまり視界のゆがみの方向を調整するための値。0~180°の範囲で表され、CYLとセットで用いられる

誤ったAXISで装用すると視界の質が大きく損なわれるため、必ず処方箋の内容に従いましょう。

遠近両用

遠近両用レンズは、老眼(加齢によるピント調整力の低下)に対応するためのコンタクトです。

これらのレンズには、加入度数(ADD)という項目が追加されます。

これは、近くを見るために必要な追加の矯正力を意味し、プラスの値で表示されます。

数字が大きいほど、近距離視力への補助が強くなります。

製品によっては、LOW(弱め)、MID(中程度)、HIGH(強め)など、段階表記されている場合もあります。

その他の表記

コンタクトレンズには、度数以外にも装用感や安全性に関わる、以下のようなさまざまな数値が記載されています。

BC(ベースカーブ) レンズのカーブの丸みを示す数値。数値が大きいほどカーブが緩やかになる
DIA(ダイアメーター) レンズの直径を意味する。ソフトレンズでは視界の安定性に関係する
CT(センターシックネス) レンズ中央の厚みを示す。度数が強くなるとCTも厚くなる傾向
EXP(使用期限) 未開封状態での使用期限。衛生面に影響するため、購入時に確認必須
LOT(ロット番号) 製品の製造ロットを示す番号。不良品があった場合の問い合わせなどに使用する

コンタクトレンズをトラブルなく快適に使うために、これらの表記を正しく理解することが大切です。

特に、度数の自己判断はリスクがあるため、変更の際は必ず眼科で相談しましょう。

コンタクトレンズの度数は勝手に上げていい?

コンタクトレンズの度数は勝手に上げていい?

視力が低下したように感じると、今より強い度数のレンズにすれば見えるようになるかもと思ってしまい、自己判断でコンタクトレンズの度数を上げたくなるかもしれません。

しかし、コンタクトレンズは、高度管理医療機器に分類されており、誤った使い方をすると目に大きな負担がかかります

適切な度数の判断には専門的な検査が必要なため、まずは眼科を受診することが重要です。

購入時は眼科で診察を受けてから

コンタクトレンズを購入する際は、事前に眼科で視力検査や装用テストを受けましょう。

特に通販での購入は、処方箋が必要ない場合もありますが、自己判断で選んだ度数が目に合っていなければ、視界の不快感や健康リスクにつながります

また、通販で購入したコンタクトレンズは、開封後の返品や交換ができないため、度数が合わない場合には無駄になってしまうかもしれません。

経済的な損失を防ぐためにも、あらかじめ眼科で適切な度数を確認しておくと安心です。

頭痛や疲れ目の原因にも

合わない度数のコンタクトレンズを使い続けると、常に目に余分なピント調整を強いることになり、肩こりや頭痛、眼精疲労などの症状につながる場合もあります。

特に度数を強くしすぎてしまうと、日常生活に支障をきたすケースもあります。

見え過ぎてしまうことで、かえって目が疲れやすくなってしまいます。

視力の快適さは、単によく見えるかどうかではなく、自然に見えるかどうかが重要です。

勝手に上げると見えにくくなる場合もある

見えづらさを感じたからといって、必ずしも度数を上げれば改善するとは限りません。

視界がぼやけたり、物が二重に見えるといった症状は、目の病気が原因となる場合もあります。

たとえば、緑内障や白内障、角膜疾患など、早期の発見と治療が必要な疾患が隠れている可能性もあります。

コンタクトの度数を上げて一時的に見えやすくなったとしても、根本的な問題を放置してしまえば、症状が悪化するリスクもあります。

気になる変化がある場合は、自己判断での調整をせず、早めに眼科の診察を受けましょう。

コンタクトの度数のよくある疑問

コンタクトの度数のよくある疑問

コンタクトレンズを使っているとさまざまな疑問が生じる場合があります。

ここでは、コンタクトの度数にまつわる代表的な疑問をわかりやすく解説します。

コンタクトレンズの度数はどこからやばい?

一般的に、コンタクトレンズの度数が-6.00を超えると強度近視とされ、日常生活に支障をきたすレベルと言われています。

具体的な分類は以下の通りです。

  • -0.25~-2.00:軽度の近視
  • -2.25~-5.75:中程度の近視
  • -6.00以上:強度の近視

同じ度数でも見え方や負担の感じ方には個人差があります。

強い度数になるほど、装用感や酸素透過性、取扱いのしやすさなどにも配慮が必要になるため、専門の医師による管理のもとで使用することが望ましいです。

左右のレンズを逆につけるとどうなる?

左右の規格が異なるコンタクトレンズを間違えて装用してしまうと、見え方や目の調子に以下のようなさまざまな影響が出ることがあります。

  • 視界がぼやける:左右の度数やカーブが異なるとピントが合わずに視界が不鮮明になる
  • 違和感や装用感の不快さ:度数だけでなくベースカーブに違いがある場合、装用時のフィット感に違和感を覚えることがある
  • 疲れや頭痛の原因に:目が無理にピントを合わせようとし、負担がかかることで目の疲れや頭痛、集中力の低下が起こる場合も

左右のコンタクトレンズを正しく装用できているか不安な際は、一度外して処方箋と照らし合わせ確認しましょう。

コンタクトの度数がどんどん上がるのはなぜ?

コンタクトの度数が少しずつ強くなっていくのは、多くの場合、日常生活の中で目にかかる負担が積み重なっていることが原因です。

視力低下を招く主な要因は次の通りです。

  • 長時間のスマホやパソコンの使用
  • 屋外での活動時間が少なく、自然光を浴びない
  • 姿勢の悪さや目と画面との距離が近すぎる
  • 疲れ目をそのままにしている

これらの生活習慣は、ピント調整に必要な毛様体筋を酷使し続けることにつながり、徐々に視力が落ちてしまいます。

日常的なアイケアと生活習慣の見直しによって、視力の低下スピードを緩やかにすることができる可能性があります。

定期的な休憩や、バランスのとれた生活リズムを意識することが視力を守るために大切です。

まとめ

コンタクトレンズの度数は、「よく見えるから」という理由で自己判断で決めてはいけません。

視力や眼鏡の度数とは異なる考え方が必要で、正しい度数で使用しないと頭痛や眼精疲労、視力低下につながる可能性もあります。

快適にトラブルなくコンタクトレンズを使うためには、必ず眼科で検査を受け、自分の目に合った度数を処方してもらうことが大切です。

タワーリバーク眼科』では、ソフト・ハードコンタクトレンズ以外にもカラーコンタクトレンズの取扱いを行っています。

コンタクトレンズを初めて使用する方には装用練習もしておりますので、コンタクトレンズを検討している方はぜひご相談ください。

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