白目がぶよぶよするのはなぜ?原因になる疾患の症状や予防方法を紹介

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違和感に気付いて鏡を見たときに、「白目がぶよぶよしているような気がする……」と感じたら不安になってしまいますが、これはにはいくつかの疾患が関係している可能性があり、適切な治療によって回復するため心配することはありません。

原因は結膜浮腫や結膜嚢腫・結膜嚢胞、翼状片、瞼裂斑などの疾患で、眼科を受診して治療することで回復に向かっていきます。

この記事では白目がぶよぶよする原因となる疾患について詳しく解説します。

予防方法もまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

白目がぶよぶよする原因となる疾患

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白目がぶよぶよする原因となる疾患には以下が挙げられます。

  • 結膜浮腫
  • 結膜嚢腫・結膜膿疱
  • 翼状片
  • 瞼裂斑

ここでは上記4つの疾患の症状と原因についてそれぞれ解説します。

結膜浮腫

結膜浮腫は、アレルギー反応などにより結膜に水が溜まってしまう疾患です。

結膜は白目の部分を覆っている膜のことで、この部分がむくんでしまうと結膜浮腫となります。

症状

結膜浮腫の主な症状は以下の通りです。

  • 白目が水膨れのようになる
  • 白目が盛り上がる
  • 眼球が飛び出して見える

上記のような症状が悪化するとまぶたを閉じられなくなる場合もあります。

さらにその状態が続くと角膜が傷ついてしまう場合もあるため、すぐに適切な治療を受けることが重要です。

原因

結膜浮腫はアレルギー結膜炎の患者さんにみられる疾患で、その原因は動物・植物との接触、花粉やダニ、ほこりなどのハウスダストです。

ほかにも、目をゴシゴシと強くこすった際に白目がぶよぶよになってしまうことが多く、小さなお子さんなどは特に注意が必要といえるでしょう。

また、細菌・ウイルスによる結膜炎や眼窩蜂窩織炎で起こる場合もあります。

眼窩蜂窩織炎は眼窩内や眼の周囲、後方の組織で強い炎症が起こる疾患で、急に目が赤くなったり眼瞼が膨張したり、発赤、眼痛などの症状を引き起こしたりするものです。

このように結膜浮腫にはさまざまな原因があるため、その原因に応じた治療が必要になります。

白目がぶよぶよになるほか、痛みや目ヤニ、充血などの症状を伴っている場合はすぐに眼科を受診するようにしましょう。

結膜嚢腫・結膜嚢胞

結膜嚢腫・結膜嚢胞は、結膜に水分が溜まり、白目の一部がゼリー状に盛り上がる疾患です。

良性腫瘍の一つに分類されています。

症状

結膜嚢腫・結膜嚢胞が小さい場合は自覚症状がほとんどないため、気づかない場合も少なくありません。

しかし大きくなると目に違和感が生じるようになり、炎症が起きて目が充血する場合があります。

目のゴロゴロ感や見た目が気になる場合、細い針で嚢腫や嚢胞を刺して溜まっている液体を排出する治療を行います。

しかし針で刺すだけだと嚢腫・嚢胞は残ったままになるため再発のリスクが高く、再発防止のためには結膜の表面を切り開いて嚢腫・嚢胞をまるごと取り出す手術が有効です。

結膜嚢腫・結膜嚢胞は良性腫瘍のため、症状や見た目が気にならなければ安静にして過ごすだけで改善されます。

しかし稀に結膜嚢腫に似た悪性腫瘍が生じるケースもあるため、一度眼科を受診して適切な診断・治療を受けると良いでしょう。

原因

結膜嚢腫・結膜嚢胞は、結膜のリンパ管が詰まることにより引き起こされますが、未だにその原因は明らかになっていません。

また、結膜の表面の組織や細胞が結膜の中に入り込むことで生じることもあります。

眼の手術や外傷により生じるケースがありますが、特にそのような誘因なく生じる場合も見られます。

翼状片

翼状片は結膜の細胞が異常繁殖することにより、目頭から黒目に向かって三角形状に伸びてくる疾患です。

軽症だと治療は不要ですが、症状が進むと視力低下や乱視、眼球運動障害などを引き起こす可能性があります。

症状

翼状片は良性疾患のため、初期のうちはほとんど自覚症状がありません。

しかし悪化すると以下のような症状が現れます。

  • 目の充血
  • 目がごろごろする
  • 目が乾いた感じがする

翼状片が黒目の中心近くまで伸びてくると、視力にも影響が出てきて見えにくくなります。

類似疾患に偽翼状片があり、これは熱傷や化学眼外傷、角膜潰瘍などの炎症性角膜疾患の治療過程で翼状片と似た症状が現れるものです。

翼状片と偽翼状片はいずれも治療方法が同じで、視力低下が懸念される場合は切除手術が必要になります。

原因

翼状片のはっきりした原因は未だにわかっていませんが、紫外線や慢性的な刺激などにより引き起こされると考えられています。

例えば、屋外で仕事をして紫外線を浴びる時間が多い人や、スポーツを長期間続けている人に現れやすい疾患です。

また加齢やウイルス感染なども原因の一つと考えられています。

瞼裂斑

瞼裂斑は、角膜の外側の結膜が変色して小さく盛り上がる疾患です。

鼻側にできることが多いですが、耳側や両側にできることも少なくありません。

症状

瞼裂斑は無症状のこともありますが、瞼裂斑炎という炎症が生じることがあります。

瞼裂斑炎の主な症状は以下の通りです。

  • 瞼裂斑部分の充血
  • 目の痛み
  • 目やに

瞼裂斑から翼状片に進展するケースもあります。

違和感や痛みなどの症状がひどい場合は手術で切除するケースもありますが、充血が少し目立つ程度であれば抗炎症点眼薬や抗生剤点眼薬などで治療するのが一般的です。

原因

瞼裂斑の主な原因は紫外線によるダメージやハードコンタクトレンズによる刺激、眼球の乾燥、加齢などです。

長年のハードコンタクトレンズにより瞼裂斑が生じている場合、ソフトコンタクトレンズにすると目立たなくなることがあります。

コンタクトレンズを普段使いしている人の場合は、人工涙液により眼球の乾燥を防ぐことも大切です。

白目がぶよぶよする原因として多い結膜浮腫を予防する方法

手洗い

白目がぶよぶよする原因として多いのが結膜浮腫ですが、この疾患を予防するためには以下の方法が効果的です。

  • 結膜炎の予防
  • アレルギー物質を遠ざける
  • コンタクトレンズの使用方法を守る
  • ドライアイを改善させる

ここでは上記4つの方法についてそれぞれ解説します。

結膜炎の予防

結膜浮腫を引き起こさないためには、細菌やウイルス感染によって引き起こされる結膜炎をしっかり予防することが大切です。

結膜炎の主な感染経路は接触感染で、結膜炎の人がもつウイルスが手すりやドアノブなどに付着し、そこに触れた人が自分の目をこすることにより感染することがあります。

そのためむやみに眼を触らないこと、流水による手洗いをすること、他人とタオルを共用しないことなどが大切です。

また流水だけの手洗いでも細菌やウイルスを減らすことができますが、できれば石鹸やハンドソープで手洗いをしたほうが良いでしょう。

ある研究では流水で15秒手洗いした場合ウイルス量と、石鹸やハンドソープで10秒揉み洗い後に流水で15秒手洗いした場合のウイルス量では、10倍から10倍近く洗い流せるウイルス量に違いが出るとされています。

正しい手洗いの方法については以下を参考にしてみてください。

  1. 水で手を濡らしてハンドソープを取り、手のひらをこすり合わせて十分に泡立てる
  2. 手の甲を伸ばすようにして洗う
  3. 指先・爪先の内側を洗う
  4. 指の間を洗う
  5. 親指をねじるようにして洗う
  6. 手首を洗う
  7. 流水でよく洗い流す

ハンドソープを手に取ったら、手のひらで15秒以上こすり合わせるのがポイントです。

他の人が触ったドアノブや手すり、テーブルなどに触った後はできるだけこまめに手洗いするようにしましょう。

アレルギー物質を遠ざける

結膜浮腫の原因であるアレルギー結膜炎を防ぐためには、アレルギー物質を遠ざけることも大切です。

例えば花粉症の場合は花粉が目に入らないようにすることが大切で、花粉防止用メガネやひさしのある帽子の着用などが効果的です。

また花粉が飛びやすい日は外出を控える、洗濯物は外に干さない、外出から帰宅したら服についた花粉を十分に落とすなどの対策もよいでしょう。

洗眼も予防に効果的ですが、カップ式の洗浄器具・洗眼剤を使う場合は汚れや原因物質をしっかり取り除いてから使用するようにしてください。

防腐剤無添加の人工涙液を使用し、洗い流すように数滴点眼するのも効果的です。

ハウスダストが原因によるアレルギー結膜炎を防ぐためには、部屋を清潔に保つ、寝具を干すなどの方法が有効です。

できれば眼鏡を使用するのが望ましいですが、コンタクトレンズを普段使いしている場合は2weekや1dayなどにすることをおすすめします。

アレルギーの原因はさまざまなため、病院でアレルギーの原因を調べる検査を受けるのもよいでしょう。

アレルギーの原因がわかれば、より適切な予防策を取りいれられるようになります。

コンタクトレンズの使用方法を守る

コンタクトレンズを普段使いしている場合は、使用方法をしっかり守ることが大切です。

不衛生な状態のコンタクトレンズを使用すると、結膜で感染や炎症が起こる可能性があります。

朝から寝る寸前までつけっぱなしにしておくのではなく、帰宅したらすぐに眼鏡に替えるなど工夫すると良いでしょう。

コンタクトレンズを使用する際の注意点は以下の通りです。

コンタクトレンズを扱うときの注意点
  • 爪を短く切って丸く滑らかにする
  • 石鹸で手洗い後、綺麗な布で手を拭いてからレンズを扱う
  • レンズを付け外しする際は、爪を立てたり指先が直接眼に触れないようにする
  • 化粧はレンズを付けてからする
  • 化粧落としはレンズを外してからする
  • レンズを外した後は洗浄・消毒・レンズケースの手入れを行う
装用するときの注意点
  • 眼科医から指示された装用スケジュール・装用時間を守る
  • 使用期間を守り、定期的に新しいレンズと交換する
  • レンズやケア用品は清潔に保ち正しく扱う
  • 異常がなくても眼科医による定期検査を受ける
  • レンズ装用前に目やにや充血がないか、装用後の異物感がないか確認し、異常がある場合は眼科を受診する
  • 他人のレンズを使用しない
  • 眼科医の許可なくレンズを装用したまま寝ない
レンズのケア方法
  • 誤った使用方法・保存方法はトラブルの原因となるため注意する
  • 再使用可能なレンズは両面をしっかりこすり洗いする
  • 再使用可能なレンズは装用前にすすぎ洗いをする
  • MPS(1つの駅で洗浄・すすぎ・消毒・保存が行えるケア用品)は開封後1か月を目安に使用する
  • 使用後の消毒液は再利用しない
  • 消毒液は他の容器に入れ替えない
レンズケースの手入れ
  • ケースは毎回洗って自然乾燥させる
  • 定期的に新しいケースと交換する

コンタクトレンズにはさまざまな種類があり、レンズの洗浄・すすぎ・消毒・保存溶液・レンズケースなどにも幅広い種類があります。

仕様製品の添付文書をよく読んだうえで、使用方法に従ってコンタクトレンズを使用するようにしてください。

またコンタクトレンズを安全に使用するためには、定期的に眼科で検査を受けることが大切です。

定期検査にかかる時間や費用、受診頻度などについては受診先の眼科に相談してみましょう。

ドライアイを改善させる

ドライアイを改善させると結膜浮腫の予防につながります。

ドライアイは眼科での治療が可能な病気で、点眼薬の処方により症状を改善できます。

目が乾く、目がゴロゴロする、目が開けにくい、目が疲れるなどがドライアイの主な症状です。

症状を悪化させる原因としては、エアコンの効きすぎ、コンタクトレンズ、コンピューター作業などが挙げられます。

目が乾いたら市販の目薬をさしている方も少なくありませんが、実はこの行為はドライアイの症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。

市販の目薬には防腐剤が含まれている場合があるため、頻繁に使うと角膜があれやすくなり、結果として余計に目の違和感が増してしまうことがあります。

目の乾きや違和感が生じたら、一度眼科を受診して適切な治療を受けましょう。

まとめ

白目がぶよぶよする原因となる疾患としては、結膜浮腫、結膜嚢腫・結膜嚢胞、翼状片、瞼裂斑などが挙げられます。

特に多いのがアレルギー反応が原因で生じる結膜浮腫です。

結膜浮腫を予防するためには、結膜炎の予防、アレルギー物質を遠ざける、コンタクトレンズの使用方法を守る、ドライアイを改善させるなどの方法が有効です。

大塚眼科クリニックでは、幅広い眼科診療に対応しています。

JR川崎駅直結でアクセスしやすいため、目の違和感でお悩みの方はぜひ一度ご来院ください。

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